《
前回までのあらすじ》
色んなコトがあったけど、とりあえずJOB50を達成したお姉ちゃんは・・・ 「 右手にクロスを、心に花束を そして背中に人生を・・・」 ごきげんよう 皆さま
私、
プリースト協会ジュノー支部『転生二次・転職ヘルパー』の
ローゼと申します。
主な活動は、ハイアコライトを無事、ハイプリーストへと導く事。今しがたも、愛くるしい姉妹達を数名、転職の場へと送り出した所なのです・・・・が、
一人足りない・・; そうなんです~ 本日、転職予定の一名が集合場所に現れず、先ほどから探しているのです。
どうしたのでしょう? 道に迷っているのでしょうか? と、ソコへ協会より
「タレ込み(情報)が入った」との連絡を受け、プロンテラから南と下って歩いていると・・・
ガサゴソソ
茂みから怪しげな音が?
頭隠して、お尻隠さず
このおヒップ! どこかで見た覚えがございます こ、これはッ もしや?
願書に貼ってあった、問題のアコライトハイに違いありません!
「 もしもし? そこのあなた様 」 「 ・・・・・・・・ 」 茂みの向こうから返答はありません。
念のため、今一度 写真を眺めました。
『 腐れ犬 VS 野良アコライト 』
まるで、
某興行団体の呼びこみチラシの如く、タイトルが書きこまれています。
い・・いぬ; いえ、そんな まさか 人を『犬』に例えるなんて、モラルを犯す事になります。
でも・・・
あぁ いけないわ>< ローゼ あなた聖職者でしょう? でも~・・・ ポトリ
放り投げたお肉に、アコライトが振り返りました。
「 ('_'*) 」 おお、こちらを見ています! 「 初対面でソレって酷くない? 」 あああッ 私ったら;(TT)
幼き姉妹の心を傷つけてしまいました・・・ 「 ところで、コレ 食べてもいい? 」
「 どうぞ、どうぞ お召し上がり下さいまし!>< 」 アコライトを卒業する前に
「個人的に重要な儀式」があるというので、聖堂まで付いていくと
御礼参りですかーッ;
罵声を聞きつけて、聖堂から神父様が集まって来ました。
「 ローゼ君、これは一体なんの騒ぎかね? 」
「 ひぃッ ぶ、部長! 」 背中を蹴られて、足跡を付けられた上司が目配せしてきました。
「 この子を無事転職させないと、今期のボーナスは諦めてもらうからね? 」
ふええー; そんなぁ~ 「 困りますぅ ボーナスを当てしてたんですよぅ;; 」 あぁ 私のSoPが
ヴァルギリー盾24回ローンのボーナス払いが
な、なんとしてでも、無事に転職させねばなりません! と、やおら『アコライトハイ転職マニュアル』を床に叩きつけた姉妹が雄たけびを上げました。
「 なんかムシャクシャする! 」 アレだけ大暴れしておいて?
「 ねー どこかへ連れてってよ そうね 海が見たいわ 」 続けて「 車はナニに乗ってるの?」とでも聞くつもりでしょうか?
有無を言わさず、ジュノーへ直行です 問題を起こす前に、急いで転生の場へ・・・
やっぱり、ここでSTOPですか・・・ 「 転職したくない理由は何ですか? そのままアコライトを続けたいのですか?
「 まっさか~!
もうアコライトは絶対にイヤ
SP足りないし、HPおぼつかないし、
不死モンスターは腐ってて臭うし、
ホーリーライトには飽きたし 」 しかめっ面の彼女に、私はウンウンと頷きました。
「 そうでしょう、そうでしょうとも!><
プリーストになれば、SPが何倍にも増えますし
アスムやメディタ、SWなどの素敵スキルが身に付きますよ
TUだってヤリ放題! さぁさぁ いざハイプリーストの道へ 」
「 つーか、アタシ 聖職者辞めるから 」 ハイ? 「 この四年間で つくづく支援者に向いてないって判ったし
だから、他の職に就こうと思ってるんだけど 」 ええ、ええ、そーでしょうとも!
確かにアナタは、通常の聖職者からは想像つかない言動をなさいます。 ですが、
アコライトはアコライト系の職に就くしか道はないのですー
そして、あなたは
ハイプリーストに転職するしかないのですー 各職種の偉大なる大先輩たちも呆れているようです。そんな師匠たちに、彼女はスタッフを振りかざしました。
「 チョット脅せばイイじゃん♪
数発、殴ればさぁ
誰か一人ぐらいは、転職させてくれるかも~ 」
場内に驚愕のどよめきが走ります。
脳裏に、先ほど騒ぎが蘇りました。
神聖なる転職の場で、殺傷事件が起きてしまうのでしょーか!?
困ります 困りますぅ><; 私のボーナスがぁ その時です。
居並ぶ師匠達の最後尾から、実に緊張感の無い声が聞こえました
「 チェイサーどーよ? 」 声の主を見た姉妹は、目をキラリと輝かせました。
「 チェイサー? ならず者、ギャング・・・・いいかも! 」 まあピッタリ♪^^ いえいえ、そーではなくて
待ってください 明らかに怪しすぎますっ 「一体、ドコのどなたです?
資料のどこにも載っていませんよ?」
シー、シー 抗議する私を止めて、チェイサーがささやきます。
「 さっきから見てれば、お姉さんが苦労してるみたいだしさ
ダイジョ~ブ 俺っちに任せておいてヨ♪
いい『作戦』があるし
無事にハイプリーストに転職させてみせっからサー 」 「 お任せして宜しいんですか? 」
任しておいてよ、とチェイサーさんが力強くうなずきます。
「 アコライトじゃ不可能なんだけど
ハイプリーストなら、チョットした裏技でチェイサーに転職が可能なんだヨネ 」 「 ホントに? 」 「 とりあえず、パパパッとハイプリーストになってきなヨー 」 それを聞いて、姉妹がスゴイ勢いで駆け出しました。
え~とヴァルギリー様
喧嘩売ってるように見えますのは、気のせいでございます~;
これが彼女の
「服従のポーズ」ですから^^;
どうか
マニュアル通りに
訓示をお願いします;
ヴァルギリー様が追いかけて来る前に、急いでトンズラです;
「 よっし、アコライト辞めてやるゼー 」 おお><; その意気込みをお待ちしておりました
ささ、なにとぞ転職の場へ~
見事(?)ハイプリーストになった姉妹に、チェイサーさんが言いました。
「 JOBポイント71個目が、秘密の裏技スキルで
それでチェイサーに転職できる訳ヨ 」 『作戦』って ただの大嘘!?
「 ソレって本当? ('_'*) 」 あぁ いけないわ ローゼ あなた聖職者でしょう?
恐れ多くも神に仕える身で、そんな『嘘』なんて・・・・
「 この子を無事転職させないと、今期のボーナスは諦めてもらうからね? 」
ふと上司の言葉が頭をよぎります
ゴクン;
「 ね、本当のトコはどーなのよ? 」
「 え、えーと そ、そ、そうですね
聞いた事はございます。 その超裏技スキル 」
「 そーゆー事だから、JOB71になったら、そのお姉さんと又おいで~
じゃ、俺っち 帰るワ~ 」
あぁぁ・・・ そんなぁ・・・
「 わかったぁ じゃまたね~♪ 」
プルプルプル~♪
軽快な音を立て、飛んでいくチェイサーに手を振る姉妹・・・
騙された事を知ったら・・・
私の身に何が起きるというのでしょうか?
存在しない71個目を目指して、これから修行が始まるというコトは
つまり、恐怖へのカウントダウンが始まったという事でしょうか;
《出演協力:ローゼさん&通りすがりのチェイサーさん》
注:この物語は作者の妄想による物です。
JOB71、他職業への転職などは(現在の所)絶対にありえません。
良い子はうっかり信じないでくださいね