ビュンビュンビュン 聞きなれた嫌な音が、薄暗い海岸に響き渡っています。ローグの姿をしたロボット達が短剣で獲物を狩り取っては飛んでいく音です。ヒドラの触手攻撃から、ベベちゃんを庇いつつ、ぎんは海岸の隅へと移動しました。 端っこなら、ロボットに邪魔されずに済みそうです。
一匹の人魚が髪を振り乱しながら、地面を這って近づいてきました。
「ベベちゃんは カートの下に隠れておいで!」 風の魔力が付いているメイスを、力いっぱい人魚に叩きつけます。ばしばしッと鋭い髪で攻撃しながら、人魚は電気シビレ攻撃を仕掛けてきました。1打・2打・3打・・・・・10回ほど振り落とし、人魚がバラバラに砕け散り そこには
赤いトゲの付いた心臓が転がりました。
コレがお薬の材料となる為、集めているのです。
今日の心臓集めは、なかなか順調に進んでいます。途中で岩に座って、ベベちゃんにエサをあげながら お弁当のお肉を齧りました。
「もうひと頑張りしようね」 残りのお弁当をカートにしまって振り返ると 背後からズルズルと何かを引きずる音に気付きました。
三匹一緒だ・・・どうしよう; 人魚の赤く濁った目がランランと光っています。あっという間に取り囲まれて、ぎんの体力が減っていくのが判りました。カバンに残っていたMILKを急いで飲み、落ち着いて まずは目の前の人魚から攻撃です。
い、いっぴき倒せたッ 両脇から襲われながら、ぎんは必死で武器を振り続けます。
・・・と、そこへ
ひゅんッ あ・・・・!! 見慣れたローグが姿を現しました。ぎんもソイツの事をよく知っています。
海岸にいるロボットの中でも、もっとも嫌なヤツ これまでも何度 心臓を横取りされた事でしょう。
必死なぎんを近くから眺める、その仮面の下の口元がニヤリと歪んだような気がしました。
あぁ・・また横殴りされちゃう・・・ その時です。カートの下に隠れていたベベちゃんが ロボットとぎんの間に割り込んできました。
え・・? ベベちゃん・・・? ぷきゅーーッ ぷぅうう! 小さな体をプルプルと震わせ、ベベちゃんが鼻息を高く吹き鳴らすと ロボットの動きが一瞬止まりました
今だッ ぎんは取っ手を回し、カートを人魚に力いっぱい叩き付けました。
ガン!! クラッシュ音に我に返ったロボットが慌てて短剣を振りかざし人魚を切り刻みます。だけど、ぎんのカートがそれを阻みました。
ガツン!! 足元に転がった心臓・・・盗み取ろうとしたロボットは動けません。勝負はぎんとベベちゃんの勝ちです。
ゆっくりと拾い上げ、ぎんはロボットを睨み付けました。
「ちッ!」と舌打ちを残し、立ち去るロボット。肩で息をつきながら見下ろすと、こちらを見上げるベベちゃんの瞳に合いました。よく見るとオデコに車輪のチューブ跡が付いています。
・・・・・('_'*) ぷきゅ♪ 「 うふふふッ アハハハッ 」 暗い人魚海岸に ぎんとベベちゃんの笑い声が響き渡りました。
注)今回の画像に載っているのは、お友達のローグさんです。
実際には、BOTは顔エモを出したりしません。
しかしながら、現在もアチコチの狩場を占領し、
横殴り・チート等でプレイヤーに迷惑をかけています。
ぎんねこの愛するイズルードも、BOTの多い所です。
管理会社への抗議とBOT撲滅の願いを込めたお話でした。
BOT役を快く引き受けてくれたお友達に感謝します。
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