孵化器にタマゴを乗せてスイッチオン!
ウィィィーン モーターが唸る音と共に、タマゴがクルクルクル回転し始めました。
パカッ ぷきゅ? 中から想像していたよりも、ずっと可愛い生き物が現われました
サベージベベは、不思議そうにこっちを見上げています。それも当たり前、さっきまでお母さんや兄弟ベベと一緒に居た筈なのに、目が覚めたらひとりぼっちで見知らぬ部屋なのですから。
ぎんは慌ててポッケからエサを取り出しました。エサを食べてくれないとペットは逃げ出してしまうのです。
時間を置いて、エサをもう一回・・・
もう少し時間を置いて、エサをもう一回・・・
ベベは、目の前に出されるご飯を夢中で食べています。もう大丈夫、どうやら餌付けは成功のようです。
「お外に出てみる?」 ベッドから立ち上がって、ぎんはちょっと歩いてみました。
右へ歩けば右の方へ 左に歩けば左の方へ
ぎんの足元をチョコチョコとサベージベベが付いて回ります。
わぁ~(^^*) お部屋の中をグルグル駆け出すと、負けじとベベもクルクル走り出しました。
一緒に狩りにも行けるんだ・・・ いつもは一人で歩く道も、今日から違います。ぎんには「べべちゃん」が居るのです。
「わぁ 可愛い~」 イズルードの町中で 市場前に座ってたグループの女の子から歓声が聞こえました。ぎんは照れ嬉しくて慌てて駆け出します。
カタコトコトコトッ カートの車輪の間をベベちゃんがピコピコ歩き回ります。
一人と一匹分の船賃を払って、
バイラン島へ渡りました。この島の奥に、海に繋がる洞窟があり いくつかトンネルを抜けて人魚がいる場所まで歩いていくのです。
三番目のトンネルの前で、ぎんはべべちゃんに耳打ちします。
「あのね、今から一緒に行く場所にはロボットが居るの。ぎんと同じような人間なんだけど、中身は機械なの。悪いプログラムが入っててね、他の人の獲物を横取りしたり、邪魔したりするの」 ちょっと怖い話なのに、ニコニコしてるべべちゃん。ちょっと前のぎんのように、この子も怖いことは何も知らないのです。ちいちゃなベベちゃんの飼い主は、ぎんなのだから、ぎんがベベちゃんを守らなくっちゃ!
最後のトンネルを前に、ぎんは大きく深呼吸しました。
「じゃ 人魚海岸へ行くよ?」 ソードメイスをギュっと握り締めて、2人は光のトンネルの中に入っていきました。
(ぱーと②へお話は続きます)
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