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ぎんねこ商人にっき

名声無いけど夢はある。
 

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2024/03/29(Fri)11:07

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ぎんねこと迷宮の森 その③

2007/08/18(Sat)20:58

 
 プロンテラの西から歩いて、ぎんは迷宮の森の門の前に辿り着きました。
 初めて入る森の中。いったい何が待っているのでしょう 



 恐る恐るアーチの下をくぐります。アーチの向こう側は、プロの森と何ら変わりは無いように見えました。
 一度後ろを振り返ってから、また ゆっくりと進みます。
 ファブルが足元を横切っていきます。
 目の前をクリーミーが飛んでいきます。
 木々の間から、鳥のさえずりや風が渡る音が聞こえてきます。

 緊張していた身体から、ホッと力が抜けました。
 なぁんにも怖い感じがしませんよ?
 もう一度、後ろを振り返ってから歩き出したぎんは ギクリと足を止めました。
 
 あ・・れ・・?
 
 今 目の前に『赤いキノコ』があったのに

 あ・・れ・・?

 慌てて周りを見ると、ついさっきまでの景色とは違っていました。

 
迷宮の森の中は、ある位置からワープします。
 そして、それはランダムに起きるのです

 
 教授達が書いた『迷宮の森レポート』の出だしを思い出しました。
 つまり、一度歩いた場所には簡単に戻れなくなるのです。

 すーーー・・ は~~~ッ
 
 胸に手を当てて深呼吸
 ぎんの胸あたりに、可愛いお守り袋がありました。ちぇりー先生が渡してくれた蝶の羽が入っているお守り袋です。

 何があっても、この巾着は手放しちゃ駄目ですよ?^^
 そして、これがある限り ぎんねこちゃんは、無事に帰ってこれますからね?


 すーーーー・・・・ はぁ~ッ
 
 もう一度大きく深呼吸すると、ぎんの中から不安が少しずつ消えていくのが判りました。

 大丈夫! ぎんは ちゃんと森の中で頑張れる!

 チョットいきなり早いけど、オヤツ休憩をする事に決定です。甘いお菓子を食べれば、いつだって元気が出てくるのです。
 

 
※----※---※---※---※---※----※
 

 
 教授達が作った『迷宮の森マップ』と照らし合わせながら ぎんは少しずつ歩いていきます。
 調べ終わったエリア内には、目印に木に赤いスカーフを巻いていけばOK。この赤いスカーフの目印があれば、緊急時にハエで飛んでも大丈夫。
 
 赤いスカーフが一枚は 安全地帯
 赤いスカーフが二枚あれば チョット危険地帯
 赤いスカーフが三枚あれば お泊りする安全地帯

 生息しているモンスターをノートに書き込みながら、ぎんは注意深く先へと進んでいきます。何度か、おサル軍団にも襲われたけど大丈夫!ぎんは何だか、どんどん楽しくなってきましたよ?
 マップの書き込みを1/3埋めた所で、今夜の『お泊り地点』の確保に向かいます。いくつか候補を挙げていた地点までハエ飛びを繰り返して・・・

 ここだ~♪
 
 着地したのは、三叉になってるエリア。ここはルナティックとファブルしか見当らないポイントです。でも、いきなりハンターフライが飛んでくるかもしれません。大きな樹の下にカートを留めて、その後ろで隠れて様子を伺います。
 
 30分経過・・・60分経過・・・

 夕飯のお寿司を食べながら、いつでも飛べるように待機。
 
 2時間経過・・・どうやら本当に安全地帯の様子。太陽も沈んで、森の中は、どんどん薄暗くなっていきます。
 カートの上に燃えないカボチャランプを置いて、ぎんは早めに眠るコトにしました。

 「 明日、早く起きてがんばろう・・・ 」 
 
 
※----※---※---※---※---※----※


 二日目。
 朝日が昇ったと同時に目が覚めたぎんは、朝ごはんを急いで食べて さっそく調査を開始しました。
 
 黙々黙々、どんどんどんどん
 ポイントを確認して、モンスターを書き込んで
 
 黙々黙々、どんどんどんどん
 目印つけて こんどはアッチを調べてみて
 
 ノートの書き込みが増えていくのに合わせて、ぎんが胸に手をあてる回数も増えていきます。胸には、あの巾着袋。お帰り用の蝶の羽が入っています。

 「 ・・・・・・・・ 」
 
 一日が終わって戻ったお泊りポイントで、夕飯のピザを握り締めたままボンヤリ

 まだ真っ暗じゃないけど・・・眠ろうかな 
 そしたら明日が早く来るかも


※----※---※---※---※---※----※


 三日目

 「 あ、また ココに着いちゃった 」

 マップの半分以上を埋め終わった今日は、 
 まだ行ってないポイントへハエ飛びを繰り返しています。

 そういえば、オヤツ食べてないや・・

 オヤツどころか、お昼のご飯も食べていません。急いでマップ全部を埋めたくて、時間を惜しんで飛び回って調査していたのです。すっかりフラフラになった頃、森に夕日が沈み始めました。

 「 とりあえず何か食べなくちゃ; 」
 
 カートの中を探っていた手がピタリと止まりました。カートの隅っこに入れた憶えの無い荷物が入っています。
 桃色の小さな紙包み・・・表面に『 ぎんへ 』と文字が書いてありました。このまん丸い文字は、お姉ちゃんが書く字です。中には、青ポーションと万能薬が入っていました。

 「 ・・・お姉ちゃん('_'*) 」 
 
 よく見ると反対側にも紙包みが・・・この殴りつける様な文字は、モンお姉ちゃんが書いた字です。こちらにはキャンディが入ってます。

 「 モンおねえちゃん('_'*)・・・ 」
 
 思い出さないよーにしてたけど、ベベちゃんは何してるかしら?今頃、みんなも晩御飯を食べてる時刻です。いつもなら、お風呂に入ってポカポカになって、お喋りして過ごす時刻です。
 
 ・・・・・・・    
  
 食べかけの蒸し饅頭に、ポツンと濡れたモノが落ちました。 

 あ・・・いけない;

 ぎんは急いで、目尻を擦ると 大きな口を開けてお饅頭をパクン!と頬張りました。それなのに・・・・

 また 涙がポロン

 コシコシ! ぎんは慌てて目を拭きます。

 ぱくんッ ポロン・・コシコシ
 ぱくんッ ポロロン・・コシコシコシ

 拭いても拭いても涙が零れてきて・・・

 「 うぅ・・・ヒック・・ふぇ~ん 」
 
 間に合わなくなって とうとう、ぎんは泣き出してしまいました。


 
ガサッ

 
 ふいに目の前の茂みが大きく揺れました

 
ガサゴソソ!


 なぁに? モンスター?どうしよう??
 
 大きな黒い影が、目の前に立ちふさがります。
 逃げようとしたぎんは、その姿を見てビックリ!
 
 あれれ・・? 
 突然 茂みの中から女の子が現われましたよ??
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No.19|ぎんねこ日記Comment(0)Trackback

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