キラキラキラ・・・ ('_'*)?
それに気が付いたのは、ぎんがモロクにお買い物来た帰り道のコトです
北門から、お外の向こうで 何かがキラリキラリと輝いています
何が光ってるのかしら? キラキラ・・・ ・・・・行ってみよう! 門を出ると、辺りは一面の砂漠地帯。その中央にある小さなオアシスの付近に、数人の人影が見えました。
どんどん近づくと、
アルケミストさん達が輪になって話しあっているようです。
その輪の傍に、キラキラの正体がありました。
ヒツジのホムンクルスです。
光ってるホムンクルスは余り見かけない珍しい生き物。ぎんは近くで見たくなって、その人達に挨拶します。
「 こんにちわぁ('0'*) キラキラひつじさん見せてくださいな 」
「 はぁい? 」 飼い主らしいケミさんが振り返った時、その後ろで ポンっ!と何かが現われましたよ?
!? 赤くて、茶色くて 丸い物体
緑色の手がクネクネと動くその姿は・・・・・
「 モンスター・マンドラゴラだッ あぶない! 」 すかさずソドメを振りかざしたぎんを アルケミストさんが慌てて止めました
「 ちがうちがう! これは マンドラゴララ13号。
私が作った人工植物なの~ 」 人工植物?('_'*) クララさんという名のアルケミさんが、ぎんに説明してくれました。
野生のマンドラゴラの生体研究をして、アルケミストさんが開発した植物。野生と人工の最大の違いは、人を攻撃しないコトんですって・・!
「 もっと品種改良を繰り返して、ゆくゆくは、この砂漠地帯に巨大なオアシスを作るのが夢なの 」 へええ~ すごい('0'*) そういえば、いっつも叩いてるけど マンドラゴラをじっくり観察した事がありません
「 もっと近くで見てもイイですか? 」
「 どうぞ どうぞ♪ 」 近寄っても、マンドラゴララ13号は攻撃してきません。いつもなら、ビシビシ叩いてくる触手をうねらせているだけ。
ぎんは、どんどん顔を近づけていきます
あの巨大な口の中は どうなっているのでしょう?
あッ! 「 きゃ!? 」 ぎんの目の前が、真っ赤に染まりました
体がクルリと回転したかと思うと・・・
どっすん!
イタタタタ★ あれれ? ぎんは、どーしたちゃったのでしょう?
周りには誰もいません。と、いうよりも あたりは真っ暗です。
・・・みんなドコ? 遠くからクララさんの叫び声が聞こえてきました。
「 きゃあ~ 商人さんが落ちちゃったーッ 」 ('_'*) ぎん、落ちちゃったの? ドコに落ちちゃったの? 慌てて立ち上がろうとしたけれど、足元がグラグラ揺れて立って居られません。とても柔らかくて、暖かな地面です
クララさんの声は、どうやら頭の上の方から聞こえるみたい
「 たいへーん! マンドラゴララ13号の中に商人さんが落っこちたわ><」 えー! ココってマンドラゴラのお腹の中!? 頭上から聞こえる声が増え始めました。時折り光が漏れて明るくなるのは、マンドラゴラが口をパクパクさせているからでしょうか?
ようやっと立ち上がったぎんは オロオロと出口を探します。でも、まったく判りません;
「 どこから出ればイイですかー? 」 大声で叫んだけれど、こちらからの声は外には届かないようです
「 救出方法は無いのか! 」
「 そ、そこまで研究は進んでいません! 」
「 どうするんだ? コレ・・・; 」
「 斧持ってこい! いや、誰か火炎瓶持って来い」
「 ハイハイハーイ!ボクがアシッド投げます! ボク得意ですッ 」
「 ばかばかばかッ>< 中に入ってる商人さんごと燃えちゃうでしょ! 」 ・・・・・・; なんだか 物騒な相談が聞こえてきますよ;?
手探りで恐る恐る這っているとクララさんが悲鳴をあげました。
「 キャーッ 待ちなさいッ てんちゃん! 」 ん?('_'*) どっすーん! ぎんの上に 何かが降ってきましたよ??
イタタタタ★☆ 目を白黒させていると、なにか暖かくて柔らかいモノが ぎんのホッペを舐めています
よ~く見てみると・・・・
「 キラキラのひつじさんだ~ 」 頭上では ますます騒ぎが大きくなっています
「 テンちゃんまで落ちちゃった! 」 あれあれ?>< ヒツジさんまで落ちてきちゃったみたい
お外では、みんな心配してるけど 心細かったぎんは、ちょっとホッとしてきました。
「 ひつじさんは、テンちゃんっていうの? 」
「 め~♪ 」
「ふうん(^^*) ワタシ、ぎんよ 」 それにしても、ココは どんな風になっているのでしょう?
「 暗いね~ よく見えないね~ 」
「 めめめ~♪ 」 ぷるぷるッと体を震わせて てんちゃんが更に光り輝きます。
おぉ♪ ちょっと明るくなって、辺りが見えてきましたよ?
薄桃色のゴワゴワした壁、ぷにょぷにょの床。 すこし揺ら揺らするのは、触手をくねらせてるせいでしょうか?
「 脱出口を一緒にさがそ? 」 ちゃぷんッ
おや?足元から水音が聞こえます。よく見ると、
おおきな水溜りがあるではありませんか
ぎんはしゃがんで、その水溜りに指をいれてみました。
「 なんかヌルヌルするねえ?('_'*) コレなんのお水だと思う? 」 洋服で擦っても、指のヌルヌルは取れません。それどころか、擦った洋服の部分に、
穴が開いてしまいました。
なんで穴が開いちゃったの?? このヌルヌルは、お水じゃないの? 「 はやく助け出さないと、マンドラゴラの胃液で二人とも溶けちゃうぞ! 」 頭上からの声に、ぎんは慌てて後ずさりです。
え? ぎんとてんちゃん、このお水で溶けちゃうの?
どぉしよう!? 「 てんちゃぁああん(TT) 」 クララさんが泣き出した声が聞こえてきました。それに応えるように、てんちゃんも鳴きだします。
めぇええ! メメ~ メ~>< 何とかしなくちゃ! 何か道具は無かったかしら? カートの中を探し出したぎんをみて てんちゃんが鼻を摺り寄せてきました。
お腹がすいたベベちゃんがご飯を催促するのと同じ行動です。
「 お腹すいたですか? ん~ 何かご飯があるかなぁ; 」 さっき
モロクの料理材料のお店で いろいろ買ってきたばかりだけど・・・・
ぎんが手にしたのは、
黄色い香辛料です。
コレって、ホムンクルスのご飯にならないよね; ご飯と勘違いした てんちゃんが前足を上げてぎんの手から香辛料を取ろうとします
「 ダメだよ コレ、ちょっと辛いんだから・・・・・ ん?? 」 確か、ここは マンドラゴラのお腹の中だって言ったっけ?? ぎんは てんちゃんから ちょっと離れて 香辛料を足元に撒いてみました。
さらさらさら~ ぱっぱっぱ! どうでしょう?
なんの変化もありません
「 じゃあ もう一箱 」 さらさらさら~ ぱっぱっぱ! てんちゃんも匂いに気が付いて、慌てて後ずさりしています
「 えーい みんな撒いちゃえ! 」 ぱっぱっぱっぱぱ・・・ばさーッ! ぎんは買ってきた香辛料を全部、ぶちまけてしまいました。
すると・・・・
急に温度が上がって暑くなってきましたよ?
壁を沢山の汗?が流れています。どんどん赤く染まっていくのが判ります
グォ・・ゴオオ・・ウウオオオオ 奇妙な音が鳴り響きます
「 マンドラゴララが震え出したぞ? 」 外でもマンドラゴララの異変に気が付いたようです
よーしッ コレで どうだ! ぎんはトドメの
赤い香辛料を取り出すと 周りの壁にふりかけました
ぐぉおおあああああ!! びゃああああああ??? 一瞬、目の前が明るくなった途端
ぎんはてんちゃんと共に、なにかに持ち上げられて 空中へと放り出されました
ひゅ~~ん ボッチャーーン!!
うわああああ?? 気が付くと、ぎんは水の中に座っていました
でも、今度は見覚えのある砂漠の風景です
「 そ、そと出られたんだ・・? 」 隣では 嬉しそうにてんちゃんが水遊びをしていますよ
「 ハッくしょん!くしょん! ふッ ふたりとも無事なの?
くしょん>< 」 クララさんが盛大なクシャミをしながら駆け寄ります。
遠くでは
赤や黄色の辛子を撒き散らすマンドラゴララ13号を止めようと アルケミストさん達が奮闘しています
「 ハックション! ご、ごめんなさい>< はくしゅッ 」 モロクの北門は数時間封鎖され、ぎんはこってりお説教されちゃったけど、てんちゃん達とお友達になれたし
まあ イイかな♪ (^^*)