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ぎんねこ商人にっき

名声無いけど夢はある。
 

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2024/11/27(Wed)11:29

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ぎんねことベベちゃんの贈り物 【前編】

2007/07/16(Mon)14:25

 
 玄関からヘンな物音が聞こえるとお姉ちゃん達が食堂を出て行きます。
 一人遅いお昼ごはんを食べていたぎんも、玄関へ行ってみました。
 音の原因はベベちゃんでした。
 オデコを押し付けて、ドアを押し開けようとしているのです。

「ベベちゃん お外へ出たいのじゃない?」

 そういえば、ベベちゃんが迷子になるのが心配で、最近はドコにも連れて行ってませんでした。

 そっかぁ ベベちゃんだってお出掛けしたいよね('_'*)
 
 残ってたお蕎麦をツルンとすすって、さっそく午後のお散歩に行くことにしました。外出の準備をするぎんの横で、お姉ちゃんがちょっとドアを開けた途端・・・

 「ぁ、ああーッ べべが逃げ出した!」

 ものすごいスピードでべべちゃんが走り出しました。みるみるうちに姿が小さな点になっていきます。
 たいへんッ!
 慌ててぎんも、後を追いかけます

 「べべちゃーーんッ べべちゃぁああん」

 一体、どうしたというのでしょう?
 ぎんは半べそになりながら大きな声で叫びました

 「待ってぇ 逃げてっちゃダメー うわぁあああん(T◇T) ・・・・ぁ、あれ?」

 中央市場の付近で 急に止まり、べべちゃんは振り返ってキョトン?としています。
 ぎんが追いつくまで そのまま待っててくれました。

 「うわぁん>< べべちゃん驚かせないでよぅ」
 ププゥッ?

 
 ぎんが追いついたのを確認して またべべちゃんが走り出します

 「待って、待って; ドコ行くの?」

 見失わないようにぎんも また駆け出します。イズルードの橋を渡り、小さな丘を越えて、プロンテラ南門へ向かって一直線。
そのまま門を潜るのかと思ったら、ここでUターン。今度は砂漠方向へ向かってベベちゃんは走っていきます。

 プップップー フッ! プップップー フッ!
 
 玉の汗を浮かばせて、ちいちゃなべべちゃんがリズミカルに走ります
砂漠の入り口で、またUターン。今度はイズルードの丘に向かって逆戻り
 結局、これを三回繰り返して ベベちゃんはやっと止まってくれました。
 ゼイゼイ息をついてるぎんの横で、ベベちゃんもプフプフと鼻を鳴らしています。

 「あそこでお水飲も?><」

 イズルードに流れ込む川のほとりで、ふたりは並んでお水を飲みます。
 綺麗で冷たくて・・ああ美味しい♪
 さっきまでチョット苦しかったのに、今は心臓のパクパクする音や温まった体が気持ちいい。

 「べべちゃん、明日もちょっと走ろっか?(^^*)」
 プゥ♪

 
 次の日から ぎんは、べべちゃんと駆けっこをしてからお仕事に出掛けるコトにしました。

 そんな駆けっこを繰り返していたある日、いつもより早い時刻にべべちゃんがドアを小突き始めました。
 今朝はまだ、朝ごはんも済んでいません。しかたないので二人分のお弁当を包んで、出掛けるコトにしました。

 べべちゃん 今日はソッチなの?
 いつも渡る橋とは反対方向の、飛行艇乗り場へ向かっています。

 「飛行船に乗りたいの?」

 ぎんはカバンにしまってた乗車券を確かめました。まだ3枚残っています。きっと、もっと遠くの町へ出掛けたくなったのでしょう?でも、どこまで行きたいのかな?
 ジュノーに付いた飛行船を降りて、べべちゃんは反対側の乗り場へ向かいます。反対側はシュバルツバルドの国際線。まだ、ぎんも一度しか行ったコトがない他所の国です。
 飛行船の中も遠くへ狩りに行く人たちで賑やか。ギュウギュウ詰めの甲板の隅っこに寄って、ぎんはべべちゃんに耳打ちしました。

 「ネ、ネ? リヒタルゼンってゆー国に行ってみる?ぎんね、この間、そこに行ったのよ」

 ぷぅぷぅ~・・
 え?ダメなの?('_'*)


 べべちゃんは飛行船ガイドさんが告げる国の名前をジッと待っているようです。

 「お待たせしました まもなくフィゲル村に到着いたします」
 プゥ!

 べべちゃんの大きなお返事に周りの乗客がチョット笑いながら道を空けてくれました。
 
 フィゲルって? どんな村なの? なにがあるの?
 
 飛び立っていく飛行船を見上げながら、ぎんは初めての国を空気を思い切り吸いました。
 近くに見える山々、流れている小川。それに町の方からは何だか楽しげな音楽が聞こえてきます。

 なんだか のんびりしてて楽しげな国かも(^^*)

 村は小さな小道沿いに色んな出店が並んでいて、観光客も散歩しながら屋台を冷やかしています。

 「アレなぁに?ふうせんだって!」
 
 話しかけるぎんをそっちのけで、ベベちゃんはしきりに何かを探しています。
 
 プー! 

 何かを見つけたベベちゃんが横道に入っていきます。その道の奥には人が大勢集まっていました。

 「お待ちかね! まもなくモンスターレースシングルがスタートします!!」

 もんすたーれーす?なんのコトかしら・・・
 
 会場には、何本かにゾーンを区切った大きな柵があって、30メートル程の距離があります。よく見ると沢山の色んなペットモンスターが集まっていました。モンスター達は一匹ずつ、コースに別れてスタートの合図を待っています。

 「わぁ♪ コレって駆けっこ競争だね」

 周りの見物人は、一番早くゴールするモンスターを予想してチケットを買っているようです。ぎんもさっそく、その列に並んでみました。

 「おや、そこのちいさなお嬢さん。お連れのペットでレースに参加してみませんか?
  飛び入り大歓迎ですよ」


 係員のバッヂを付けたおじさんが、ぎんとベベちゃんに声をかけてきましたよ?
 呼びかけを待ってました!とばかりに、ベベちゃんがおじさんの前に歩み出ました。

 「もしかして、べべちゃんはレースに参加したいの?だから毎日走ってたの?」
 
 ぷぅ♪
 
 あれは追いかけっこじゃなくて トレーニングだったんだ


 「はい、そちらのサベージベベが参加ですね。じゃこちら契約書にサインを。
  大丈夫、レースが終わったら無事にお返ししますよ。」


 係員のおじさんに抱き上げられて、ベベちゃんはゲート奥へと連れられていきました。
 
 果たして大丈夫かしら・・・?

お話は【後編】へ続きます

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No.14|ぎんねこ日記Comment(0)Trackback

ぎんねこと飛行船

2007/07/08(Sun)12:23

 
 プロンテラからの帰り道、イズルードの橋のたもとで、ぎんは沢山の人とすれ違いました。みんな飛行船から降り立った人達です
 そーいえば、最近 ドコかの国との国境が開いたのだっけ?
 ここ数日、飛行船乗り場は大賑わい。旅先の珍しい話を楽しげに語り合う様子に、ぎんはうらやましげに振り返ります。
 
 そう、ぎんは 飛行船にあまり乗ったコトがありません。
 だって、飛行船に乗る必要がないのです。
 お買い物は国内で済むので、いつもカプラ交通社か、港から出る船を利用。狩りも、そんな遠くへ行けるほど強くもないし・・・
 初めて飛行船が運航した日、お姉ちゃん達に勧められてジュノーにいったっきり。あとは何となぁく遠慮していました。
 ジュノーから乗り換えて、もっと遠くの国や街・・・

 飛行船、楽しかったなぁ(^^*)

 二番目のお姉ちゃん、モン姉ちゃんがステキなプレゼントを持って ぎんの帰りを待っていました

 「飛行船の乗車券。お手伝いをしたお礼に貰ったからあげるよ」

 無料招待券と印刷されたチケット、四枚綴りです。

 「コレって、ぎんが好きなふうに使ってもイイの!?」
 「うん、たまには遠くへお出掛けしておいで」


 遠くの街ってドコへ行けばいいかしら?
 そういえば、今日すれちがった人達が口々にリヒタルゼンって言っていた
 
 そうだ、ぎんもリヒタルゼンって行ってみたい


 次の日、お出掛けの準備をするぎんの横で、一番上のお姉ちゃんがリヒタルゼンのコトを教えてくれました。

「リヒタルゼンはね、大きくて近代的な街なんだけど、反対側の住宅地には行かないでね?」
「どーして?('_'*)」
「人さらいが居るんですって!」
「うわあ 怖い>< リヒタルゼンって怖いトコなの?」
「う~ん・・街の中にいる限りは大丈夫よ。
 でもチンピラっていうガラの悪いのが現われたら絶対に目を合わせちゃダメ!
 それからスリも一杯いるから気をつけて~」


 それって街の中も危険がイッパイなんじゃ;


 不安になってきたけど、とりあえず行ってきま~す!
 ぎんはウキウキしながら、飛行船乗り場への橋を渡ります。入り口で、係りのお姉さんにチケットを見せました。

「本日はご利用ありがとうざいます~ こちら無料招待券ですね」
「リヒタルゼンまで行けますか?」
「リヒタルゼンは国際線ですので、ジュノーでお乗換え下さいね」


 中に乗り込んですぐにハッチが閉められ 船がグゥィーンという唸り出しました。さあ出発です。
 階段を下りて船内の窓から景色を眺めることにしました。イズルード中央市場の巨大テントが見えます。まもなくするとプロンテラの街が見えてきました。露天でにぎわう十字路もお城も小さく見えます。

 お城だぁ ふぅん庭園って空から見ると、こうなってるんだ~

 景色は街を離れ山々に変わっていきます。緑のミョルニール山脈を越えて、荒野へと変わった頃 館内放送がジュノーへの到着を告げました。

 ジュノーで乗り換え、ジュノーで乗り換え・・・?

 空港を出たぎんは、乗り換えの飛行船を探してウロウロ。

「乗り換えは空港の中で行うんですよ お戻りください」

 入り口の警備員さんが教えてくれました
 
 ああシッパイしちゃった;
 おまけに、中に戻るにはまたチケットが必要なんですって
 空港に戻ろうとしたぎんは、入り口でたたずむお坊さんに気が付きました。なんだか迷っているようです。

 「どーしたですか?なにか困ってるですか?('_'*)」
 「布教の為に旅する修行僧なのですが、なにぶん貧乏な為に移動はすべて徒歩。
  飛行船に乗れば多くの民に布教できるのですが・・・やはり貧乏なので・・・」
 「そっかぁ大変なんだね? じゃあ このチケットどうぞ!」
 「おお!よろしいのですか? これで多くの方に出会う事が出来ます。  どうぞあなたにも幸福が訪れますように・・・
  ツルツルツーツーにゃむにゃ~む~

 へんな言葉;;


 一礼をしてお坊さんは空港内へ去っていきました。
 一枚になってしまった招待券を眺めて、ぎんはチョット心配になってきました。反対側の階段を上って、係員に何度も確認して、やっと国際線の飛行船に乗り込みます。
 
 ふぅ~;
 
 「リヒタルゼンまでは、だいぶ時間がございますので どうぞ船内でごゆっくりお楽しみください」


 船内には大好きなアイスクリームを見つけたけど、売り子さんが見当らなくて残念!
 近くのテーブルにとても可愛い服装の女の子が居ます。でも様子が変・・・



 「どーしたですか?なにか困ってるですか?('_'*)」
 「アタシ、林檎が食べたいの」
 「それなら、ぎんが持ってる林檎をあげます」 
 「アラ、アタシはカジノで手に入る林檎が欲しーの。
  どうしても、あそこの林檎が欲しいのよお」


 指差す方向にはゲーム台とディーラーのお姉さんがいます

 「じゃあ 林檎ゲームで取ってきてあげるね!」



 四苦八苦しつつ何とかゲームに勝って、沢山の林檎を手にいれました。 おっと館内放送がリヒタルゼン到着を告げています

 「ご苦労だったわねえ ところで、あなたのお名前は?」
 「イズルードに住んでいるぎんいろのこねこよ さよなら~」

 
 いよいよリヒタルゼンに到着です。
 みんなが話していた通り、白い石畳と植物で整理された近代的な都市です。ぎんは、ここで初めて銀行という建物を見ましたよ。それから豪華なホテルをチョット拝見。噴水の前のベンチでお弁当を食べたり、宝石店に並んだ宝石をそっと眺めてみたり。

 そして最後は、一番楽しみしていたデパートです。
 ここではピエロさんが楽しい芸を見せてくれるんですって。ぎんは初めて入るデパートの看板を、口をあけて見上げてしまいました。と、急に・・・

 とすん! グイッ!

 「おおっと ごめんよ いひひ」

 誰かが、一瞬だけぎんのカバンを引っ張って、風のように走りぬけていきました。

 あッ!

 スリだと気付いたときには、もう姿が見当りません。ぎんは慌ててカバンやポッケを探りました。
 大丈夫、大切なお金は盗まれていません。でも。。でも・・・

 「飛行船のチケットが無くなっちゃったぁ」
 
 ・・・・・・・
 ・・・・・
 ションボリしたまま ぎんはデパートの中に入りました。
 綺麗なお土産にも、楽しいピエロのおもちゃ屋さんにも、あんまりワクワクできません。

 一番上の階に上がったら、あとはもう帰ろう・・・

 うつむいたまま階段を上ったぎんの頭を、誰かがギュっと押さえつけました。男の人です。

 「おぅ、この髪型はキミに とても似合っている! だが・・何かが足りない」       

 声にも驚いたけど、その男の人の髪の色にもびっくり!
 なんてニギヤカな髪の色でしょう?

 「一体何が足りないのか!うーん どうやら元気な笑顔が足りないようだな」

 男の人は、ぎんを椅子に座らせるとクルンと回転させました。

 「女の子がそんな悲しい顔をしていてはイカン! どれどれ この天才美容師に任せなさい」

 美容師さんはチョチョイのパっと、ぎんの髪の毛を束ね始めました。

 「フンフンフ~ン♪ さあ、これで完璧、完成!」



 「さあ可愛いリボンだぞ。うん、我ながら上出来だ!」
 
 鏡に映った自分の姿に、ぎんは目を見張りました。頭の後ろに、大きくて赤いリボンが乗っています。

 「まぁ とっても可愛い♪」
 
 アシスタントのお姉さんも手を叩いて褒めてくれます。何だかションボリしぼんでた心が、ふんわかはずんできましたよ。

 「あ、ありがとです~」
 「ん? 元気が出てきたな? またおいで」
 
 またおいで・・・かぁ(^^*)

 
 ほっぺたを大きな手で鷲掴みされ、ぎんはニコニコをうなづきました。
 いろんな人達に出会えるお出掛けって、チョット素敵かも・・って。

 

 イズルードに戻ったぎんをお客さんが待っていました。

 「当家のお嬢様が、船の中で大変お世話になりましたようで・・・
  これは、お礼の飛行船チケットです。どうぞお受け取り下さいませ」


 執事さんが渡してくれたのは、四枚綴りの飛行船チケットでした。

 夜になると、今度は遠方の狩りからモンお姉ちゃんが戻ってきました。

 「今日、飛行船に乗ったら お坊さんが居てね
  あなたもツルピカ教に入信しませんか?って布教活動してるの
  ツルツルツーツーだって。ホント驚いたよ
  ぎん、アンタ知ってた??」

 「う、う~ん(^^*)」


 そのコトは ちょっと内緒にしておこーかな・・

No.13|ぎんねこ日記Comment(0)Trackback

ぎんねことちいちゃなべべちゃん②

2007/06/21(Thu)14:54

 ビュンビュンビュン 

 聞きなれた嫌な音が、薄暗い海岸に響き渡っています。ローグの姿をしたロボット達が短剣で獲物を狩り取っては飛んでいく音です。ヒドラの触手攻撃から、ベベちゃんを庇いつつ、ぎんは海岸の隅へと移動しました。 端っこなら、ロボットに邪魔されずに済みそうです。 
 一匹の人魚が髪を振り乱しながら、地面を這って近づいてきました。

 「ベベちゃんは カートの下に隠れておいで!」

 風の魔力が付いているメイスを、力いっぱい人魚に叩きつけます。ばしばしッと鋭い髪で攻撃しながら、人魚は電気シビレ攻撃を仕掛けてきました。1打・2打・3打・・・・・10回ほど振り落とし、人魚がバラバラに砕け散り そこには 赤いトゲの付いた心臓が転がりました。
 コレがお薬の材料となる為、集めているのです。

 今日の心臓集めは、なかなか順調に進んでいます。途中で岩に座って、ベベちゃんにエサをあげながら お弁当のお肉を齧りました。

 「もうひと頑張りしようね」

 残りのお弁当をカートにしまって振り返ると 背後からズルズルと何かを引きずる音に気付きました。

 三匹一緒だ・・・どうしよう;
 
 人魚の赤く濁った目がランランと光っています。あっという間に取り囲まれて、ぎんの体力が減っていくのが判りました。カバンに残っていたMILKを急いで飲み、落ち着いて まずは目の前の人魚から攻撃です。

 い、いっぴき倒せたッ 

 両脇から襲われながら、ぎんは必死で武器を振り続けます。
 ・・・と、そこへ

  ひゅんッ

 あ・・・・!!

 

 見慣れたローグが姿を現しました。ぎんもソイツの事をよく知っています。
 海岸にいるロボットの中でも、もっとも嫌なヤツ これまでも何度 心臓を横取りされた事でしょう。
 必死なぎんを近くから眺める、その仮面の下の口元がニヤリと歪んだような気がしました。

 あぁ・・また横殴りされちゃう・・・

 
 その時です。カートの下に隠れていたベベちゃんが ロボットとぎんの間に割り込んできました。
  
 え・・? ベベちゃん・・・?

  ぷきゅーーッ ぷぅうう!
 
 小さな体をプルプルと震わせ、ベベちゃんが鼻息を高く吹き鳴らすと ロボットの動きが一瞬止まりました

 今だッ 

 ぎんは取っ手を回し、カートを人魚に力いっぱい叩き付けました。

 ガン!! 

 クラッシュ音に我に返ったロボットが慌てて短剣を振りかざし人魚を切り刻みます。だけど、ぎんのカートがそれを阻みました。

 ガツン!!
 
 足元に転がった心臓・・・盗み取ろうとしたロボットは動けません。勝負はぎんとベベちゃんの勝ちです。
 ゆっくりと拾い上げ、ぎんはロボットを睨み付けました。
   
 「ちッ!」と舌打ちを残し、立ち去るロボット。肩で息をつきながら見下ろすと、こちらを見上げるベベちゃんの瞳に合いました。よく見るとオデコに車輪のチューブ跡が付いています。

  ・・・・・('_'*)
  ぷきゅ♪

 「 うふふふッ アハハハッ 」 
 
 暗い人魚海岸に ぎんとベベちゃんの笑い声が響き渡りました。



 
注)今回の画像に載っているのは、お友達のローグさんです。
実際には、BOTは顔エモを出したりしません。
しかしながら、現在もアチコチの狩場を占領し、
横殴り・チート等でプレイヤーに迷惑をかけています。
ぎんねこの愛するイズルードも、BOTの多い所です。
管理会社への抗議とBOT撲滅の願いを込めたお話でした。
BOT役を快く引き受けてくれたお友達に感謝します。

No.10|ぎんねこ日記Comment(0)Trackback

ぎんねことちいちゃなべべちゃん

2007/06/21(Thu)14:43

 孵化器にタマゴを乗せてスイッチオン! 
  
 ウィィィーン
 
 モーターが唸る音と共に、タマゴがクルクルクル回転し始めました。

 パカッ

 ぷきゅ?

 中から想像していたよりも、ずっと可愛い生き物が現われました
 
 サベージベベは、不思議そうにこっちを見上げています。それも当たり前、さっきまでお母さんや兄弟ベベと一緒に居た筈なのに、目が覚めたらひとりぼっちで見知らぬ部屋なのですから。 
 ぎんは慌ててポッケからエサを取り出しました。エサを食べてくれないとペットは逃げ出してしまうのです。
 時間を置いて、エサをもう一回・・・
 もう少し時間を置いて、エサをもう一回・・・
 ベベは、目の前に出されるご飯を夢中で食べています。もう大丈夫、どうやら餌付けは成功のようです。

 「お外に出てみる?」

 ベッドから立ち上がって、ぎんはちょっと歩いてみました。
 右へ歩けば右の方へ 左に歩けば左の方へ
 ぎんの足元をチョコチョコとサベージベベが付いて回ります。

 わぁ~(^^*)

 お部屋の中をグルグル駆け出すと、負けじとベベもクルクル走り出しました。
 
 一緒に狩りにも行けるんだ・・・




 いつもは一人で歩く道も、今日から違います。ぎんには「べべちゃん」が居るのです。

 「わぁ 可愛い~」
 
 イズルードの町中で 市場前に座ってたグループの女の子から歓声が聞こえました。ぎんは照れ嬉しくて慌てて駆け出します。
  
 カタコトコトコトッ 
 
 カートの車輪の間をベベちゃんがピコピコ歩き回ります。



 一人と一匹分の船賃を払って、バイラン島へ渡りました。この島の奥に、海に繋がる洞窟があり いくつかトンネルを抜けて人魚がいる場所まで歩いていくのです。
 
 三番目のトンネルの前で、ぎんはべべちゃんに耳打ちします。

 「あのね、今から一緒に行く場所にはロボットが居るの。ぎんと同じような人間なんだけど、中身は機械なの。悪いプログラムが入っててね、他の人の獲物を横取りしたり、邪魔したりするの」
 
 ちょっと怖い話なのに、ニコニコしてるべべちゃん。ちょっと前のぎんのように、この子も怖いことは何も知らないのです。ちいちゃなベベちゃんの飼い主は、ぎんなのだから、ぎんがベベちゃんを守らなくっちゃ!
 最後のトンネルを前に、ぎんは大きく深呼吸しました。

 「じゃ 人魚海岸へ行くよ?」

 ソードメイスをギュっと握り締めて、2人は光のトンネルの中に入っていきました。

(ぱーと②へお話は続きます)

No.9|ぎんねこ日記Comment(0)Trackback

ぎんねことオニギリ

2007/06/21(Thu)10:51

 一番上のおねえちゃんがお友達の騎士さんとお城に行ってきたそうです。そして、ソコで大きなオニギリを拾ってきました。
 
 「これね エルニウムというモノなの。ぎんちゃんにあげるから売ってお小遣いにしてもいいのよ?」 
 おお~♪
 
 ぎんはお姉ちゃん達のお古や武器を借りて、ときどき狩りに行くのです。でも、あんまり稼ぎがよくありません。コレを売れば、なにかステキな武器が買えるかも!

 さっそくお店を開いて、オニギリを売るコトにしました。どんな看板出そうか、いくらで売れるか、みんなも悩むと思うけど。やっぱし、ぎんも色々考えてるのです。ほいで、コレで売ることにしました。

おにぎり屋さん(梅干入り)



 美味しそうだから、きっとすぐに売れるハズ。
 周りより価格を少し安めにして空いてる場所で立ちんぼ開始。そうしたら10分ぐらいで買ってもらえました。
 こうして、ぎんに少しのおこづかいが出来ました。このお金で買えそうな装備を探して、街の中をウロウロ~ウロウロ~
 ザンネンだけど、武器や鎧を買うにはお金が足らないみたい;

 う~ん('_'*)

 でも、せっかくのおこづかいです。ぎんはナニカが欲しくてたまりません。もっかい街の中をウロウロ~ウロウロ~ 何度も往復したせいで、足が棒のように痛くなってしまいました。それに喉も渇きました。
 
 なにか飲み物はなかったかなぁ?

 カートの中にあったのは、オレンジジュース。でもコレは人間は飲めません。
 
 コレを売ればミルクが買えたかしら?
 
 ミルク屋さんを探してキョロキョロしていると、通りがかった人から声をかけられました。

 「 ねえ、ソレ 売り物でしょ? いくらなの?」
 
 商人のぎんを見て、露天中と勘違いしたようです。いくら?と突然聞かれても、初心者商人のぎんは、すぐお返事ができません。口をパクパクしていたら、その人は自分のカバンから、見たことないモノを出してきました。

 「値段が決められないの?じゃあ、少しお金を足して、このタマゴと取替えっこしない?」
 「タマゴ? なんのタマゴ?」

 ツヤツヤと光ったタマゴからは、なんだか甘くて暖かな香りがしてきて、抱っこしたいな・・・って気持ちになってきます。

 「中にサベージベベが入ってるんだよ。正しい飼い方はペット屋さんで聞いてごらん?」

 ぎんはいつのまにかタマゴを受け取っていました。
 
 コレ・・・あまいミルクのにおいがする・・・(^^*)
 
 はじめてのおこづかいで、ぎんはおおきなタマゴを買ったのです。

No.8|ぎんねこ日記Comment(0)Trackback